人工知能の核心 2017 羽生善治

・2017の本やけど、2016に番組で取材した内容を元にしたもの。
当時はまだ電王戦がニコニコでやっとって、俺的にはそんなに盛り上がってはなかったと思うが・・・
というのも最初の電王戦(2013くらい?)でもう3勝1負1持将棋やったけん、ここが最高潮やった
もう実力的にはプロ超えとって、その後からはプロが少しでも戦えるようにルール変わっていったような・・・

・しかも2016はアルファ碁が韓国の棋士に勝った年でもある

・面白かったのは、羽生さんが若手棋士に対して、難しい局面での対応能力が足りてない、みたいな指摘を書いとるとこ
あんまり羽生さんが直接的具体的なことを言うのって珍しい気するし
やっぱり世の中が便利になりすぎていくと、人間が頭を使う機会が減って、衰えていくんかね
時代背景もあるけん仕方ないけど、昔の人が凄いっていう話になってしまう
実際そうやけどね
しかし、この時はまだ藤井さんという稀代の天才のさらに各上の天才棋士が現れるなんて思っとらんかったやろうけど

・後、羽生さんが何かの番組で、将棋を含め日本の伝統文化は「コンパクト」である、って言いよったが、
この本にも似たようなのがあった。
物量に物を言わせる白人達と、限られたリソースの中でソフトウェアを最適化していく日本人
このコンパクトっていうのは、元々将棋はもっと盤面が広くて駒も多くてっていうのから、今の本将棋にルールが洗練されていった、という流れのことを言っとるらしい
そういえば、ファミコンもメモリの容量が少なくて、節約のために雲と草を同じデータの色違いにした、みたいな話もあるし
最近気づいたのが女の子がよくやっとるネイルも、めっちゃ日本的やと思う
あんな狭い所で、絵やら文字やら書いて、5本10本でばちっと決めてくる感じ
制限された空間の中での最適化、みたいなもの?
ガラケーでデコレーションとか流行ったのも似た感じか、最近全く見らんが
プログラミングで一番短いソースで完璧にロジック組めたときの快感にも通じとるかも

・pepper君の感情地図、aiの水平線効果、この辺りはsfのネタになりそうな感じで面白かった
そういえばいつかの電王戦で、「角不成」で勝ったのがあったけど、これも今考えると面白い
aiは開発者がその分野に精通しとらんくても、ディープラーニングで勉強させれば勝手に凄くなるらしい
aiがどういう勉強をして、どんな知識を獲得して、その知識をもとに思考して、何かしら出力する、っていう過程が全部ブラックボックスになっとる・・・
その裏を突いたような角不成事件やったか・・・
しかし、別に電王戦なんて仕事やないし、テストとかデバッグとかも時間かけてやっとらんと思うんよね
やけん、プロの先生方がデバッグしてくれた、みたいな感じで、何かしょうもなかった思い出ある

・羽生さんは将棋の勉強もあるやろうに、取材もして、執筆もして、いろんな分野に触れて・・・尊敬